疑問 官公庁の看板の文字は著作権で保護される?
答え
「思想・感情を表現した美的要素を備える場合は揮毫にも著作権を認める」という判例を元にその都度裁判所が判断する。
文化庁著作権課の回答
庁舎名の看板の文字の著作権ですが、文化庁では個々の看板の文字についての著作物性を判断いたしかねます(最終的には司法判断となります)が、「書は、本来情報伝達という実用的機能を有し、特定人の独占使用が許されない文字を素材とするものであるが、他方、文字の選択、文字の形、大きさ、墨の濃淡、筆の運びないし筆勢、文字相互の組み合わせによる構成等により、思想、感情を表現した美的要素を備えるものであれば、筆者の個性的な表現が発揮されている美術の著作物として、著作権の保護の対象となり得るものと考えられる」との判例(東京地判平11.10.27)から、一般論として、その書が思想、感情を表現した美的要素を備えるものであれば、著作物として保護され得ると考えられます。また、実績のある書家の書であれそれ以外の揮毫者の書であれ、あくまでも書に思想、感情を表現した美的要素を備えているかどうかで著作物性が判断されると思われます。
文化庁著作権課 企画調査係